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ADHDな日々

ADHDの管理人が日々考えてる好き勝手なことを書いてます。典型的文系なのに、理系の話題が多いです。

信長最愛の女性・吉乃を捏造した日本史史上最大のフェイク資料「武功夜話」

歴史ネタ

麻生祐未

「織田信長 天下を取ったバカ」吉乃役の麻生祐未

トランプ大統領誕生に貢献したクリントンに関するフェイクニュースや、日本人少女が韓国人にレイプされたという記事が拡散した偽ニュースサイトなど、巷にはフェイクニュースが溢れている。なぜフェイクニュースが生まれるかというと、理由は簡単。アクセス数を稼いでお金儲けしたいから。

しかし、それらよりはるかにスケールのでかいフェイク事件といえるのが「武功夜話」だ。昭和34年の伊勢湾台風で愛知県江南市の吉田龍雲氏宅(旧前野家)の土蔵が崩れ落ちた際、前野家に代々伝わる古文書が発見された。それを龍雲氏の弟の吉田蒼生雄氏が訳し「武功夜話」として出版した。

NHKや朝日新聞は「武功夜話」を第一級の史料として報道。それまでの資料に書かれていない信長や秀吉の若き日の様子が描かれていたことで話題になり、遠藤周作や津本陽らの作品の元資料としても使われた。

「武功夜話」で最も注目されたのが生駒吉乃のエピソードだ。吉乃は江南市の豪商・生駒家に生まれ、一度は嫁入りするも旦那の戦死により生駒家に戻ってきた。その吉乃を信長が見初め寵愛。信忠、信雄、徳姫が生まれた。吉乃は信長より6歳年上。信長青年は年上の出戻り女に恋をしたのだ! しかし吉乃は産後の肥立ちが悪く、病床に伏せるようになる。それを知った信長は吉乃を強引に小牧山城に連れ帰り、3人の子の生母・側室として織田家中に披露する。しかし3年後、吉乃は39歳で死去。信長は吉乃の死を悲しみ、小牧山城から生駒屋敷の方を眺めては涙したという。

このピュアなラブストーリーは多くの人たちに感動を与えたようで、資料の少ない正室の濃姫に代わって吉乃が信長最愛の女性として認知され、信長関連ドラマでも信長のパートナーとして吉乃が登場するようになる。

しかし、この「武功夜話」は今では偽作とされている。当時なかった地名が使われている、木曽川の位置が当時と違っている、文体が現代的過ぎる等、偽作としての証拠は多数指摘されている。中には「太平洋戦争に従軍した経験のある者が書いたと思われる記述がある」なんて笑ってしまうものもある。そして偽作と主張する人たちは、具体的な名前を明記しないものの「吉田蒼生雄氏の創作である」と示唆している。

これに対し擁護派は「江戸時代に写本が書かれた時に創作が入った可能性がある」と主張。だったら原本と写本を照らし合わせればすぐわかる。しかし、

原本も写本も、当の吉田家が頑なに公開を拒んでいる。

もうこの時点で偽作確定だろう(擁護派の人たちがブログで「批判する学者は未だに原本を見たことがない」とか「吉田先生は武功夜話の原本を読んだ日本で唯一の方」とか書いているが、原本を他人に見せないんだから見れるはずがない。彼らはバカなのか?)。

吉田蒼生雄氏は「武功夜話」の印税で凄く儲けたはず。フェイクニュースで稼いだ人たちの何十倍、何百倍ものお金が入ってきただろうに。ほんと、うらやましい限りだ。

江南市のホームページに今だに「武功夜話」のことが詳しく載っているのが痛過ぎる。なぜ削除しないんだろう? 武功夜話で町起こしをしてきたから、今さら撤回するのは超カッコ悪いとは思うけど「私たちも騙されました」と言えば済むと思う。僕が江南市民なら、市役所に文句言うのにな。
江南市 武功夜話

 

追記~誰か桶狭間の合戦を映画化して下さい!

日本史史上もっともドラマチックな合戦といえるのが、信長の出世戦、皆様ご存知の「桶狭間の合戦」だ。人数には諸説あるものの、侵攻してくる今川軍2万5千を、信長はたった3千の兵で奇襲攻撃をかけ撃退した。

努力の末、弱者が強者を倒すというのは娯楽映画の王道ストーリー。織田家の世継ぎとは思えない傍若無人なヤング信長、秀吉と妻の寧々、前田利家と妻の松、蜂須賀小六など、役者も揃っている。彼らの若き日の日常からスタートして、和平か徹底抗戦かで揺れる織田家の葛藤を描き、最後は雨中の一大決戦。CGを交えた迫力満点の映像に仕上げれば、大ヒット間違いなしだと思うんだけどなぁ。

 

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